まなびピア埼玉2009レポート<

まなびピア埼玉2009レポート

東京ディズニーリゾートの「学び」埼玉にまなびピア埼玉2009 「教育家庭新聞」に掲載された「まなびピア埼玉2009」の記事をご紹介します。


埼玉県・さいたまスーパーアリーナでは、10月30日(金)から11月3日(火)まで、第21回全国生涯学習フェスティバル「まなびピア埼玉2009」(主催 第21回全国生涯学習フェスティバル実行委員会)が開催された。教育分野に力を入れる東京ディズニーリゾートでは1日、秋草学園高等学校・吹奏楽部(部員約60名)をモデルに「バンドクリニック」をはじめ、キャスト(従業員)の仕事を体験から学べるブース展示、おそうじやホスピタリティを楽しく学べる「魔法の教室」を展開した。各取り組みに込められた東京ディズニーリゾートの想いを探る。

バンドクリニック


「楽しさ」伝える演奏を
チームで曲の見せ場を作る

「演奏をしっかり聴いてもらうことが一番大切。そこで振り付けの初期には、楽器を使わずに発声しながら演奏に無理のないスタンドプレイを考えている。パート毎に生徒達でアイデアを出し合い、ビデオチェックを繰り返す。ようやく最後に、楽器を使い演奏の無理や無駄を省き、全体のバランスを整えていく」

そうステージ上で指導のポイントを説明したのは、秋草学園高等学校(埼玉県所沢市)吹奏楽部の常任指揮者・三田村健氏。

11月1日、東京ディズニーリゾートによる「バンドクリニック」が行われ、約3000人収容のメインアリーナが多くの中・高生、家族連れで埋まった。秋草学園高等学校・吹奏楽部は、東京ディズニーリゾート「ミュージック・フェスティバル・プログラム(MFP)」(※)に20年連続出場を果たすなど、長い間、聞き手を楽しませる演奏を磨いてきた。


会場わかせる独創的なプレイ

この日は「東京ディズニーシーのテーマ」、「エルクンバンチェロ」、「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」、「ディズニー・アット・ザ・ムービーズ」の4曲を披露。「エルクンバンチェロ」では、トロンボーンパートが1つになり、横に並ぶ仲間のスライド管と自らのトロンボーンをつなげて動かし「波」を表現した。

「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」では、普段あまり表に出ないチューバのソロ演奏場面で、他のパートが一斉に「チューバ」とコールしながらチューバ奏者を指差しアピール。チームワークで見せ場を作った。手を振る、歌う、手拍子、楽器を動かすなど、次々に繰り出される独創的なスタンドプレイに会場は大きな拍手で沸いた。


音楽の楽しさは誰もが伝えられる

進行役の株式会社オリエンタルランドの井上恵美氏(ミュージック・フェスティバル・プログラムプロデューサー)は「映画『ポカホンタス』の主人公が色をもたない風で絵を描こうとしたように、吹奏楽は形の無いものを演奏で表現できる。誰でもできることを一生懸命、主体的に取り組むことで楽しさが伝わり『心に響く』演奏になる。自分の力を信じて楽しい演奏を心がけて」と語った。

観覧した鎌ヶ谷市立第五中学校吹奏楽部の倉橋さんと関谷さん(ともに二年生)は「トランペットを操作するプレイは見ていてとても楽しかった。楽器は違うけど、できたら挑戦したい」「演奏の振り付けに興味が湧いた。心から楽しかったし感動した」と笑顔で会場を後にした。

※ミュージック・フェスティバル・プログラム=音楽バンド、コーラス、ダンスなど様々なジャンルで活躍するアマチュアグループのためのプログラム。ビデオによるオーディションに合格したグループが、パレードルートなど、東京ディズニーランド®、東京ディズニーシー®を舞台に「キャスト」として出演できる。

ミュージック・フェスティバル・プログラム>>

秋草学園高等学校吹奏楽部 常任指揮者・三田村健氏コメント

努力を自信と成長に演奏に向かう心がまえ学ぶ

演奏はもちろんだが、それ以外の気付きが大きかった。その1つは、基本的なマナーの大切さ。会場まで楽器を運んでくれる運転手の方、照明や音響など舞台をつくってくれる方など、お世話になる方への挨拶。会場に入る際に脱いだ靴はきちんと揃えるなど。簡単なことだが、意識していないと疎かになってしまいがちなことを、MFPの関係者から指摘して頂いた。生徒は演奏が一人で行えないものだと気付き、感謝の気持ちが生まれてきた。

もう1つは、生徒の演奏に向かう気持ちや心構えが、MFPで出会うキャストの仕事に触れて変わってきた。何度も繰り返し自分達の演奏をチェック、改善していくことで、見る人に気持ちを伝える演奏ができるようになってきた。ゲスト(お客様)に楽しんでもらうためには、自らが笑顔を発して楽しむことが重要。そうした努力の積み重ねが、生徒の自信にもつながっていっている。私自身の演奏も以前と比べて変わってきたように思う。今後もMFPに挑戦しながら、生徒が自分に自信を持ち、楽しみながら成長していって欲しい。

展示コーナー


キャストに学ぶ仕事体験

展示コーナーのパネルの中には同日Webサイトがオープンしたクイズ形式の学習プログラム「ラーニング・ファン」も早速登場。東京ディズニーランド・東京ディズニーシーを「学びの教室」ととらえ、パーク内に数多くある様々な学びの要素を「英語」、「理科」、「社会」といった各教科に合わせて学習できる。パネルの前には熱心にクイズに挑戦する児童・生徒の姿があった。

また「お仕事体験」には東京ディズニーリゾートを支えるキャストの仕事を紹介するパネルが展示され、「アトラクションキャスト」が使用するマイクやリボルバーをはじめ、パーク内の清掃を担当する「カストーディアルキャスト」のトイブルーム(ほうき)やダストパン(ちりとり)など実際に使われる道具の数々が並んだ。


来園者に優しい商品陳列を学習

友達同士チームを組んで参加できる「ディスプレイ体験コーナー」は、商品棚に並べられたディズニーキャラクターのぬいぐるみを使って魅力あるディスプレイをつくるというもの。

参加者は、買い物客が見て楽しくなってしまうような陳列をイメージしながら、キャラクターの仲間ごとにまとめる、備品を使い目立たせたい商品を高い位置に陳列する、キャラクターの目線をゲストに向けるなど、普段キャストが心を込めて作り上げるディスプレイをマスターした。

常盤高校の狩野美香さんと斉藤佳純さん(ともに2年生)は「アルバイトをしたことがないので、新しい発見があった。キャストの方に直接教えてもらえて良かった。ゲストに伝わるかどうかしっかり相手の立場になって考えることができた」と感想を語った。

思い出残す写真撮影のひと工夫

「フォトサービス体験コーナー」では、楽しいひと時を、そのまま記念写真として持ち帰ってもらうフォト撮影の仕事を体験。カメラは両手でしっかり受けとめる。「こんにちは」という明るいあいさつと、笑顔を撮影者から投げかけることも大切だ。
また、楽しい思い出をそのまま写真に残すため、声掛けにも「はい、ミッキー」、「はい、ミニー」、「はい、ディズニー」とパークならではの工夫がある。

体験した今野あかねさん(40歳)とアリスさん(10歳)親子は、「ここでキャストの仕事が体験できるとは思わなかった。撮るときに笑顔を残す工夫など学校では学べないことが体験できて貴重だった」と喜んでいた。最初は恥ずかしがっていた子ども達も、大きな声を出してあいさつと声掛けをするうちにお互い笑顔で撮影体験を終えていた。

魔法の教室

思いやりをゲームで体験

まなびピア埼玉2009開催期間中の2日(月)に、メイン会場のあるさいたまスーパーアリーナ前の「けやき広場」では、東京ディズニーリゾート「魔法の教室」が公開で開催された。「魔法の教室」は希望のあった首都圏の小学校にパークのキャストが訪問し、パーク内で日常行われているおそうじやホスピタリティをテーマに、ゲームを交えながら楽しく学ぶ内容で、昨年から取り組まれているもの。

この日は学校行事で学びピアを見学に来た熊谷市内の小学校から、3、4年の児童を代表して40人がステージに上がり、キャストから〝思いやり〟についての話を聞いた。
キャスト同士が「気持の良いあいさつの3原則」は「笑顔で、元気に、目を合わせて」と実演。上からではなく同じ目線で声をかけることの大切さを、子ども達はペアになり体験した。

次に10人ずつのグループに分かれ、スプーンでピンポン玉を受け渡す「お手玉リレー」に挑戦した。往復したピンポン玉が最後の人に戻ったら、スプーンを全部そろえて返す。会場で見ている他の児童達からは思わず「がんばれー」、「落とすなー」と大きな声援が飛んだ。最初にゴールしたチーム、スプーンを早く戻せたチーム、それぞれのインタビューで子ども達は「次の人が受け取りやすいようにていねに渡した」、「スプーンの向きをそろえるよう気をつけた」などと語った。

「そうです、相手のことを考えてあげること…それが思いやりにつながるのです」とキャストからも大きな拍手が贈られ、ちょっとテレくさそうな子ども達。見学していた人達からも「今の学校には、こういう教育が大切だ」という声が聞かれた。

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